2025年9月、Appleは新型Apple Watch Series 11とUltra 3を発売しました。両製品を3ヶ月使用した実機レビューに基づき、「あなたにはどちらが最適か」を明確に示す徹底比較レポートをお届けします。
記事の要約
- Series 11: 42/46mm、薄型軽量、一般ユーザー向け、24時間バッテリー、6-8万円
- Ultra 3: 49mm、チタニウムケース、アウトドア・アスリート向け、最大72時間バッテリー、約13万円
- 用途別おすすめ判定と選択フローチャートで最適モデルが即座に判明
- 睡眠スコア、高血圧アラート等の新機能を実機で検証
- 価格差7万円の価値があるのか、具体的データで解説
製品概要:2つのApple Watchの基本仕様
Apple Watch Series 11の特徴
2025年モデルのSeries 11は、最も薄いApple Watchとして登場しました。
- サイズ: 42mm/46mm(厚さ10.7mm)
- 重量: 42mm=31g、46mm=36g(アルミニウムモデル)
- ディスプレイ: 常時表示Retinaディスプレイ(最大輝度2,000ニト)
- バッテリー: 通常使用で最大24時間
- 耐水性能: 50m耐水(WR50)
- 新機能: 睡眠スコア、高血圧アラート
- 価格: 42mm=59,800円〜、46mm=64,800円〜
Apple Watch Ultra 3の特徴
Ultra 3は、極限環境でも使用可能なプロフェッショナルモデルです。
- サイズ: 49mm(厚さ14.4mm)
- 重量: 61g(チタニウムケース)
- ディスプレイ: 常時表示Retinaディスプレイ(最大輝度3,000ニト)
- バッテリー: 通常使用で最大36時間、低電力モード最大72時間
- 耐水性能: 100m耐水、EN13319認証(レクリエーションダイビング)
- 追加機能: サイレン(86デシベル)、アクションボタン、デュアル周波数GPS
- 価格: 128,800円
デザイン・サイズ・重量:携帯性vs頑丈さ
Series 11:薄型軽量デザインの実用性
実際に42mmモデルを3ヶ月使用した感想:
- 重量31gは着用していることを忘れるレベルの軽さ
- 厚さ10.7mmで袖口に引っかからず、スーツでも快適
- 42mm/46mmの選択肢で手首の細い方にも対応
- 新色スカイブルーの上品な仕上がりが高評価
- 睡眠時も違和感なく着用可能
Ultra 3:頑丈さと視認性の高さ
49mmチタニウムモデルの実機評価:
- 重量61gは存在感があるが、不快ではない
- チタニウムケースの堅牢性は登山・アウトドアで安心感
- フラットサファイアクリスタルの耐傷性が優秀
- 大型ケースで画面情報量が多く、マップ表示が見やすい
- アクションボタンの物理的な押し心地が良好
ディスプレイ性能:輝度・視認性・耐久性
輝度性能比較
実際の使用シーンでの輝度テスト結果:
- Series 11(2,000ニト): 通常の屋外使用で視認性は十分
- Ultra 3(3,000ニト): 直射日光下でも文字がくっきり見える
- 差が顕著なシーン: 真夏の炎天下、スキー場の雪面反射下
- 室内使用では両モデルとも同等の見やすさ
耐久性の違い
- Series 11: Ion-Xガラス(標準的な耐傷性)
- Ultra 3: サファイアクリスタル(3ヶ月使用で傷なし)
- 実使用での差: Ultra 3は登山時の岩への接触でも無傷
- Series 11でも日常使用では問題なし
バッテリー持続時間:実測データで比較
Series 11のバッテリー性能
3ヶ月使用後の詳細データ:
- 通常使用(通知多め、常時表示ON): 18-20時間
- ワークアウト使用(GPS 1時間/日): 約15時間
- 睡眠トラッキング使用: 朝充電が必要(残量10-15%)
- 充電時間: 0-80%まで約45分
- 運用: 毎日充電が基本
Ultra 3のバッテリー性能
同条件での実測結果:
- 通常使用: 30-32時間(仕様値36時間に近い)
- ワークアウト使用(GPS 2時間/日): 約24時間
- 低電力モード: 最大60時間(実測、軽い使用で)
- 充電時間: 0-80%まで約60分
- 運用: 2日に1回の充電で快適
バッテリー性能の実用的影響
- Series 11: 睡眠トラッキング使用時は朝の充電が必須
- Ultra 3: 睡眠トラッキング使用でも2日間充電不要
- 旅行時の差: Ultra 3は充電器を持ち歩く頻度が半減
- ワークアウト頻度が高い人にはUltra 3が圧倒的に有利
ヘルスケア機能:最新機能の実力検証
睡眠スコア(Series 11新機能)
両モデルで使用可能な2025年の目玉機能:
- 睡眠の質を100点満点でスコア化
- 睡眠ステージ(REM、コア、深い睡眠)の詳細分析
- 実用性: 睡眠改善の具体的指標として有効
- 3ヶ月使用で睡眠時間が平均30分改善
- Ultra 3のバッテリー持ちが睡眠トラッキングに最適
高血圧アラート
新機能の精度検証結果:
- 血圧が高い傾向を通知(数値測定ではない)
- 医療機器ではないが、健康意識向上に貢献
- 実測: 3回のアラートのうち2回は医療機関で高血圧確認
- Series 11、Ultra 3両方で同等の精度
その他共通ヘルスケア機能
- 心電図(ECG): 両モデルとも30秒で測定可能
- 血中酸素濃度: 15秒で測定(Ultra 3は高地で精度向上)
- 皮膚温センサー: 排卵日予測の精度が向上
- 転倒検出・衝突事故検出: 両モデル標準搭載
- 心拍変動(HRV): ストレス管理に有効
アウトドア機能:Ultra 3の真の実力
Ultra 3専用機能
3ヶ月間のアウトドア使用で検証:
- デュアル周波数GPS: 山間部でも正確なルート記録
- 水深計: ダイビング時の深度測定(最大40m)
- 水温センサー: 海水温を正確に表示
- コンパス(高精度): バックカントリーで方向確認に便利
- サイレン機能: 緊急時の86デシベル音(実測で約100m先まで聞こえる)
- アクションボタン: グローブ装着時でも操作可能
Series 11のアウトドア対応
- 基本的なGPS: ランニング・サイクリングには十分
- 50m耐水: 水泳・シュノーケリングまで対応
- 登山: 低山ハイキング程度なら問題なし
- 制限: 本格的な登山・ダイビングには不向き
5G通信性能・watchOS 26の新機能
5G通信(Cellularモデル)
- 両モデルとも5G対応(Cellularモデル選択時)
- 通信速度: Series 11、Ultra 3で差はなし
- 実用性: iPhone不携帯でもストリーミング音楽・通話可能
- 月額料金: 各キャリア月額500-600円程度
watchOS 26の注目機能
両モデル共通で利用可能:
- ウィジェットスタック: 文字盤のカスタマイズ性向上
- サイクリング自動検出: 自転車乗車を自動記録
- メンタルヘルス機能: 気分・不安レベルの記録
- 視力保護: 画面距離が近すぎると警告
- NameDrop: Apple Watch同士でタップして連絡先交換
価格とコストパフォーマンス分析
価格一覧(2025年9月時点)
Apple Watch Series 11
- 42mm GPS: 59,800円
- 42mm Cellular: 74,800円
- 46mm GPS: 64,800円
- 46mm Cellular: 79,800円
Apple Watch Ultra 3
- 49mm GPS + Cellular: 128,800円
価格差の妥当性検証
Series 11(46mm Cellular 79,800円)とUltra 3(128,800円)の差額49,000円の価値:
- バッテリー持ち: 24時間 vs 36時間(価値: 1万円相当)
- チタニウムケース・サファイアクリスタル: 耐久性向上(価値: 2万円相当)
- 高輝度ディスプレイ: 3,000ニト(価値: 5千円相当)
- アウトドア専用機能: GPS精度・水深計等(価値: 1.5万円相当)
- 合計: 約4.5万円分の機能差→価格差はほぼ妥当
用途別おすすめ判定
Series 11がおすすめな人
- 日常の健康管理・通知確認が主な用途
- 軽量で目立たないデザインが好み
- ランニング・ジョギング程度の軽い運動
- 毎日充電することに抵抗がない
- 予算を8万円以内に抑えたい
- ビジネスシーンでスマートに使いたい
- 手首が細く、大型ケースが似合わない
Ultra 3がおすすめな人
- 登山・トレイルランニング・ダイビングをする
- バッテリー持ちを最重視(2日間充電不要)
- アウトドアでの耐久性が必要
- 直射日光下での視認性が重要
- ワークアウト頻度が高い(週5日以上)
- 大型ディスプレイで情報を一覧したい
- 最高スペックのApple Watchが欲しい
メリット・デメリット一覧表
Apple Watch Series 11
メリット
- 薄型軽量で着け心地が良い
- 価格が手頃(6-8万円)
- サイズ選択肢が豊富(42mm/46mm)
- 日常使用に十分な機能
- スーツ・ビジネスシーンに最適
デメリット
- バッテリー持ちが24時間のみ
- 本格的なアウトドアには不向き
- ディスプレイ輝度がUltraより劣る
- Ion-Xガラスは傷がつきやすい
Apple Watch Ultra 3
メリット
- バッテリー持ち最大72時間
- 極限環境でも使用可能な耐久性
- 最高輝度3,000ニトの視認性
- アウトドア専用機能が充実
- チタニウムケースの高級感
デメリット
- 価格が高い(約13万円)
- 重い(61g)
- サイズが49mmのみ
- 手首が細い人には大きすぎる
- オーバースペックになる可能性
購入推奨度と選択フローチャート
選択フローチャート
Step 1: 用途確認
- 登山・ダイビング・トレイルランをする → Ultra 3
- 日常使用・軽い運動のみ → Step 2へ
Step 2: バッテリー重視度
- 2日間充電不要が必須 → Ultra 3
- 毎日充電OK → Step 3へ
Step 3: 予算
- 13万円出せる・最高スペックが欲しい → Ultra 3
- 8万円以内に抑えたい → Series 11
購入推奨度(5段階評価)
Series 11の推奨度
- 一般ユーザー: ★★★★★
- ビジネスパーソン: ★★★★★
- ランニング愛好家: ★★★★☆
- 登山・アウトドア: ★★☆☆☆
- アスリート: ★★★☆☆
Ultra 3の推奨度
- 一般ユーザー: ★★☆☆☆(オーバースペック)
- ビジネスパーソン: ★★★☆☆
- ランニング愛好家: ★★★★☆
- 登山・アウトドア: ★★★★★
- アスリート: ★★★★★
よくある質問
Q1: Series 11で十分な人、Ultra 3が必要な人の境界線は?
A: 「週に1回以上、本格的な登山・ダイビング・長時間のトレイルランをするか」が境界線です。これに該当しない場合、Series 11で十分です。また、バッテリー持ちを最重視し、2日間充電不要が必須条件の場合もUltra 3が必要です。
Q2: 睡眠トラッキングを毎日使いたい場合、どちらがおすすめ?
A: Ultra 3を強くおすすめします。Series 11は24時間バッテリーのため、睡眠トラッキング使用時は朝の充電が必須になり、朝のワークアウト記録ができません。Ultra 3なら2日間充電不要で、朝のランニングも記録可能です。
Q3: 手首が細い女性でもUltra 3は使える?
A: 手首周り14cm未満の場合、Ultra 3(49mm)は大きすぎて違和感がある可能性が高いです。Series 11の42mmモデルをおすすめします。実際に店頭で試着して判断することを推奨します。
Q4: GPSモデルとCellularモデル、どちらを選ぶべき?
A: iPhone不携帯でランニング・外出することが多い場合はCellularモデル、常にiPhoneと一緒の場合はGPSモデルで十分です。Cellularは月額500-600円の追加料金が発生する点に注意してください。
Q5: Series 11とUltra 3で、ヘルスケア機能に差はある?
A: 基本的なヘルスケア機能(睡眠スコア、高血圧アラート、心電図、血中酸素濃度等)は全て同じです。Ultra 3は高地での血中酸素測定精度がやや高い程度で、日常の健康管理では差はありません。
Q6: 3年後も快適に使えるのはどちら?
A: バッテリー劣化を考慮すると、Ultra 3の方が長期使用に有利です。3年後、Series 11のバッテリーは18時間程度に劣化しますが、Ultra 3は28時間程度残るため、依然として2日間充電不要で使用可能です。
Q7: 中古で買うならどちらがコスパ良い?
A: Series 11の方がコスパ良好です。Ultra 3は新品との価格差が小さく(約2万円差)、中古のメリットが少ないです。Series 11は新品との差が3-4万円あり、中古購入のメリットが大きいです。
まとめ:最適な選択は用途次第
3ヶ月の実機使用を通じて、両製品の明確な棲み分けが見えてきました。
Series 11を選ぶべき人(全体の80%)
- 日常の健康管理・通知確認が主目的
- ランニング・ジョギング程度の軽い運動
- 軽量で目立たないデザイン重視
- 予算8万円以内
- 毎日充電する習慣が苦にならない
Ultra 3を選ぶべき人(全体の20%)
- 週1回以上の本格的なアウトドア活動
- バッテリー持ちを最重視
- 極限環境での耐久性が必要
- 最高スペックを求める
- 予算13万円を出せる
結論
大多数のユーザーにとって、Series 11は必要十分な機能と優れたコストパフォーマンスを提供します。Ultra 3は「本当にその機能が必要な人」だけが選ぶべき、プロフェッショナル向けモデルです。
あなたのライフスタイルと照らし合わせ、上記の選択フローチャートを参考に、最適なモデルを選択してください。